連想ゲーム
「……室井さん」
「何だ、そんな顔して。――悩みごとかなにかあるのか?」
「いや、そんなんじゃないんです。むしろ俺より室井さんのほうが大変かなって」
「は?」
「これ……今日の新聞ですけど。ほらここ」
「……」
「ナマハゲが温泉地でセクハラ。故郷の文化の危機っすよ!?」
「それがなぜ俺に関係するんだ」
「だって室井さん秋田だし」
「お前の頭のなかは秋田=ナマハゲなのか」
「違いますよ!秋田=きりたんぽ=ナマハゲ=室井さん、です!なんか連想ゲームみたいっすね」
「……なぜナマハゲと俺が同格?」
「え、室井さん俺にセクハラまがいのことするじゃないですか。だからナマハゲ」
「セクハラじゃない。合意の上の行為だ」
「俺は最中に『どこがいいんだ言ってみろ』とか言われることに合意した記憶はないです」
「……大体お前だって悦がってるじゃないか」
「なら室井さんもやってみます?」
「……」
「ほーら。嫌なんじゃん」
「……別にやってみてもいいぞ」
「えー。直前になったら嫌がるとか萎えるからやですよ俺」
「そんな無様な真似はしない。俺はつまり、俺のしたいことを素直に口に出せばいいんだろ?」
「……はい?」
「『どこがいいのか言ってみろ』。イコール、自分の欲望を口に出すということだ。――青島、俺はお前が感じてる姿を見たい」
「は?……や、え、あのそれっ」
「お前の中に入れたい。お前の唇にキスがしたい。抱きしめたい。俺は……」
「いい!もういいです俺が悪かったです。――室井さんそういうの反則だよ。いつもは全っ然言ってくんないくせに」
「素直な感想だが?」
「……そういうのがナマハゲなんだよ。なんか化け物みたく絶倫って感じ?」
「褒め言葉として受け取っておく」
「……って、何してるんですか!?」
「有言実行」
「なっ……。い、いつかマスコミにリークしますよ警視庁のリアルナマハゲ!」
「いつか、か。ならそれまでにリークするネタでも作らないとな」
「っ……!室井さんのバカー!!」
***
新聞見て思いました。