たとえてみれば、カカオ100%

セフレな室青。あくまでセフレ。愛とか好きとか面倒なことは言わない。互いに干渉や詮索しない。公私混同はしない。これがルールです。ちなみに室井さんが決めました。会うのはいつも青島くん家。朝方に始発で帰ります。

「部屋の片付けぐらいしろ。大体食い物もないのかお前の家は」
「室井さんさぁ、人ん家に来てその言い草はないでしょ。大体誰かさんが激しいから何にも出来ないんですよ」
「俺が来ない日にすればいい。そう頻繁に会ってるわけでもないだろ」
「やだ」
「何でだ」
「互いに干渉しない。これルール。あんたが決めた」
「……せめて人並みの部屋にしてくれ」
「室井さんのために綺麗にしてどーすんですか。あ、お茶飲みたい」
「別に俺のためじゃない。お前のためだろ。――茶葉と急須はどこだ」
「どっかそのへんー」
「そのへんってどこだ」
「そのへんはそのへん。ていうかお湯が沸いてないかも。室井さん沸かしてくださいよ」
「お前、いい加減に……」
「しませーん」
「ったく。……もういい年した大人なんだ。もう少し節度のある生活を心がけてくれないか」
「うーん。ていうか室井さん、ちょっと勘違いしてません?」
「何をだ」
「俺たちは恋人じゃないんですよ。相手に言うこと聞かせたりとか、干渉したりとか、そういうの必要ないじゃん。それがイヤならやめちゃいましょうよ。あんたも俺も、違う誰かを見つけたらそれで丸く収まるんだから」
「……」
「室井さん?そこで黙られると気まずいんですけど」
「いや。そうだな。悪かった」
「別に謝罪なんていりませんけど、まぁ、いっか。――ね、仲直りにもっぺんしません?」
「明日も勤務じゃないのか」
「別に平気ですよ。公私混同はしない。多少腰痛くったって仕事はできます。室井さんも多少寝なくたって死にやしないでしょ?」
「ああ。……言っておくが、手加減はしないぞ」
「手加減、してくれたことありましたっけ」
「……あったんじゃないか、多分」
「それ、俺の目見て言ってください」

***
カカオ100%=ものすごく苦いもの、というたとえのはずが、あんまりそうでもない気が。